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活動区分資金収支計算書の目的

活動区分資金収支計算書の目的

(2021年6月1日更新)

1.活動区分資金収支計算書の目的

 活動区分資金収支計算書は、資金収支計算書に基づき作成される書類として、学校法人会計基準で作成が求められている計算書です。

 

学校法人会計基準 第14条の2(活動区分資金収支計算書の記載方法等)

 活動区分資金収支計算書には、資金収支計算書に記載される資金収入及び資金支出の決算の額を次に掲げる活動ごとに区分して記載するものとする。

 一 教育活動

 二 施設若しくは設備の取得又は売却その他これらに類する活動

 三 資金調達その他前2号に掲げる活動以外の活動

2 活動区分資金収支計算書の様式は、第4号様式のとおりとする。

 

 【リンク】活動区分資金収支計算【第四号様式】

 

 活動区分資金収支計算書の作成目的としては、「学校法人会計基準の在り方について報告書」(平成25年1月31日、学校法人会計基準の在り方に関する検討会)7ページにて、以下のように述べられています。

 

 他の会計基準の改正では、資金繰り状況の把握の必要性、施設設備の高度化、資金調達や運用の多様化等、本業の事業活動に含まれない活動も重要となってきたこと等に伴い、活動区分別の資金の流れを明確にする観点から、キャッシ ュ・フロー計算書の導入が進んでいる。

 学校法人についても、近年の施設設備の高度化、資金調達や運用の多様化など、本業の事業活動以外の活動が増加しているとともに、私立学校を取り巻く経営環境が悪化する中で、学校法人の財政及び経営の状況への社会的な関心が高まっている状況にある。さらに、私立学校の特質として、建学の精神に基づき形作られている学園の一員である在学生に対し、その精神に基づく教育が提供され続けていくためにどのように取り組みがなされているのかについて、財務的な観点からもわかりやすく把握できるようにすることが求められる。

 このことから、活動区分別に資金の流れを把握することが重要であるため、学校法人の特質を勘案した活動区分として、“教育研究事業活動”、“施設等整備活動”、“財務活動”に区分する「活動区分別資金収支表」を作成するとともに、3つの活動区分ごとにキャッシュ・フローの流れが明確にできるよう、各活動区分の末尾にそれぞれに対応する調整勘定を置いて、現金預金の流れと一致させることが適当である。

 

 学校法人の経営が複雑になってきたことから、企業に求められるCF計算書と同様の財務表の作成が求められることになり、活動区分資金収支計算書の作成が義務付けられることになりました。ただ、事務負担軽減の観点から、知事管轄の学校法人に対しては、活動区分資金収支計算書の作成は免除されています(学校法人会計第37条)。

 

学校法人会計基準 第37条(計算書類の作成に関する特例)

 都道府県知事を所轄庁とする学校法人(以下「知事所轄学校法人」という。)は、第4条の規定にかかわらず、活動区分資金収支計算書又は基本金明細表(高等学校を設置するものにあっては、活動区分資金収支計算書に限る。)を作成しないことができる。

2.活動区分資金収支計算書の構造

 活動区分資金収支計算書は、「教育活動による資金収支」「施設整備等活動による資金収支」「その他の活動による資金収支」の3つの区分になっており、それぞれの活動区分での収入と支出が計上されます。


 学校法人会計の活動区分収支計算書も、企業会計のCF計算書も、同じくみっつの区分になっており、活動区分も以下のように類似した関係になっています。

 

「教育活動による資金収支」≒営業活動CF

「施設整備等活動による資金収支」≒投資活動CF

「その他の活動による資金収支」≒財務活動CF

3.資金収支計算書からの組み換え

 活動区分資金収支計算書は、資金収支計算書に基づき、資金収支計算書から組み替えられて作成されます。基本的には、資金収支計算書の勘定科目がそのまま活動区分資金収支計算書の勘定科目となります。


 ただし、小科目が異なる活動区分に分解される場合と小科目が合算される場合があります。


◆科目が分解されるケース


 科目が分解されるケースとしては寄付金収入 があげられます。特別寄付金収入には、教育活動にかかる寄付金収入もあれば施設設備のための寄付金収入もあります。こうした場合、寄付金収入は「教育活動による資金収支」の特別寄付金収入と「施設整備等活動による資金収支」の施設設備寄付金収入に分解されます。


◆科目が合算されるケース

 

 一方で、資産売却収入における施設売却収入と設備売却収入 は、「施設整備等活動による資金収支」の施設設備売却収入に合算して計上されることになります。

 

 また、各活動区分ごとに「調整勘定等」というものがあり、資金収支計算書の前受金収入や資金収入調整勘定などについては活動区分ごとに分解して計上する必要があります。

 

 調整勘定等の項には、活動区分ごとに、資金収支計算書の調整勘定(期末未収入金、前期末前受金、期末未払金、前期末前払金等)に調整勘定に関連する資金収入(前受金収入、前期末未収入金収入等)及び資金支出(前期末未払金支払支出、前払金支払支出等)を相互に加減した額を記載します。また、活動区分ごとの調整勘定等の加減の計算過程を注記します(学校法人会計基準第四号様式、脚注3)。

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