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学校法人会計における注記事項ーデリバティブ情報

学校法人会計における注記事項ーデリバティブ情報

(2021年6月1日更新)

1.デリバティブ情報の注記

●デリバティブ取引とは

 

 デリバティブ取引は、取引により生じる正味の債権又は債務の時価に変動により保有者利益を得たり、損失を被るものです。例えば、為替予約取引、金利スワップ取引があり、他社株転換社債、日経平均株価連動社債等のいわゆる仕組債も、デリバティブが組み込まれた複合金融商品と考えられます。 

 

●デリバティブ取引の会計処理

 

 学校法人会計では、デリバティブ取引を行っていても、デリバティブ取引に係る価格変動、金利変動及び為替変動による損失が確定しているか、又は確定が見込まれる場合を除いて、契約上の決済時まで会計処理が行われません。


 ただし、デリバティブ取引の契約金額又は決済金額に重要性がある場合には決済時に多額の損益が計上される可能性があり、会計年度末において時価の変動による影響額を把握するために注記が必要になります(学校法人委員会研究報告第16号「計算書類の注記事項の記載に関するQ&A」(最終改正平成26年12月2日、公認会計士協会)Q17)。

 

 デリバティブ取引に係る損失については、第8号通知により、「デリバティブ取引の解約に伴う損失(又は利益)」は、事業活動収支計算書の特別収支に該当するとされているため、大科目「その他の特別支出」に区分し、小科目は「デリバティブ解約損」等とすることになります。ただし、貸借対照表に計上されている現物の金融商品と組み合わされたデリバティブ取引に係る損失で、当該金融商品に係る売却又は処分差額と区分することが困難な場合を除きます(同Q17)。

 

●デリバティブ取引の注記の記載例

 

 デリバティブ取引の注記として、デリバティブ取引の対象物、種類、当年度末の契約額等、契約額等のうち1年超の金額、その時価及び評価損益を記載することとなります。当該取引がヘッジ目的であろうと投機目的であろうと注記します。なお、当該デリバティブ取引の利用目的について、ヘッジ目的又は投機目的である旨を注記することが望ましいとされています。また、ヘッジ目的で評価損益が実現する可能性が低い場合には、その旨を注記することも考えられます(同Q18)。

 

 デリバティブ情報の記載例は以下のとおりです。

 

【デリバティブ取引】

デリバティブ取引の契約額等、時価及び評価損益

(単位 円)

対象物 種類 当年度(令和××年3月31日)
契約額等 契約額等のうち1年超 時価 評価損益
為替予約取引 売建   米ドル 50,000,000 △1,000,000 △1,000,000
金利スワップ取引 受取変動・支払固定 150,000,000 100,000,000 △4,000,000 △4,000,000
合  計 200,000,000 100,000,000 △5,000,000 △5,000,000

(注1)上記、為替予約取引及び金利スワップ取引は将来の為替・金利の変動によるリスク回避を目的としている。

(注2)時価の算定方法

    為替予約取引・・・先物為替相場によっている。

    金利スワップ取引・・取引銀行から提示された価格によっている。

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