事業活動収支計算の表示方法
(2021年6月1日更新)
1.事業活動収支計算書の勘定科目
事業活動収支計算書の勘定科目と記載科目について、学校法人会計基準では以下のように規定されています。
学校法人会計基準 第17条(勘定科目) 学校法人は、この章の規定の趣旨に沿って事業活動収支計算を行うため必要な勘定科目を設定するものとする。 |
学校法人会計基準 第19条(事業活動収支計算書の記載科目) 事業活動収支計算書に記載する科目は、別表第2のとおりとする。 |
上記のように、事業活動収支計算書における記載科目は別表第二に従って処理することになります。各活動区分ごとの勘定科目については次項で順に解説していきます。
なお、小科目については、適当な科目を追加し、又は細分することができます。小科目に追加する科目は、形態分類による科目でなければなりませんが、形態分類によることが困難であり、かつ、金額が僅少なものについては、この限りではありません。大科目と小科目の間に適当な科目を設けることができます。
また、都道府県知事を所轄庁とする学校法人にあっては、教育研究経費の科目及び管理経費の科目に代えて、経費の科目を設けることができます(別表第2の脚注)。
2.事業活動収支計算書の記載方法
事業活動収支計算書の記載方法については、以下のとおり学校法人会計基準で規定されています。
学校法人会計基準 第18条(事業活動収支計算書の記載方法) 事業活動収支計算書には、第15条各号に掲げる活動ごとに事業活動収入の部及び事業活動支出の部を設け、事業活動収入又は事業活動支出の科目ごとに当該会計年度の決算の額を予算の額と対比して記載するものとする。 |
上記のとおり、事業活動収支計算書は各活動区分ごとに事業活動収入と事業活動支出を計算し、決算と予算の対比の形で開示することが要求されています。
続けて、各活動区分ごとでの収支差額を出すことが求められています。
学校法人会計基準 第20条(当年度収支差額等の記載) 第15条各号に掲げる活動ごとの当該会計年度の収支差額(事業活動収入の額から事業活動支出の額を控除した額をいう。以下同じ。)は、事業活動支出の部の次に予算の額と対比して記載するものとする 2 当該会計年度の経常収支差額(第15条第1号に掲げる活動の収支差額に同上第2号に掲げる活動の収支差額を加算した額をいう。以下同じ。)は、同号に掲げる活動の収支差額の次に予算の額と対比して記載するものとする。 3 当該会計年度の基本金組入前当年度収支差額(経常収支差額に第15条第3号に掲げる活動の収支差額を加算した額をいう。以下同じ。)は、同号に掲げる活動の収支差額の次に予算の額と対比して記載するものとする。 4 当該会計年度の基本金組入額は、基本金組入前当年度収支差額の次に予算の額と対比して記載するものとする。 5 当該会計年度の当年度収支差額(基本金組入前当年度収支差額から基本金組入額を控除した額をいう。以下同じ。)は、基本金組入額の次に予算の額と対比して記載するものとする。 |
上記は、各段階の収支差額の記載方法について規定されています。各活動ごとの収支差額を計算したのち、経常収支差額、基本金組入前当年度収支差額、基本金組入額、当年度収支差額の段階収支計算を行うことになります。
最後に、繰越収支差額についての記載が次のように規定されています。
学校法人会計基準 第21条(翌年度繰越収支差額) 当該会計年度において次に掲げる額がある場合には、当該額を加算した額を、翌年度繰越収支差額として、翌年度繰越収支差額として、翌会計年度に繰り越すものとする。 一 当年度収支差額 二 前年度繰越収支差額(当該会計年度の前会計年度の翌年度繰越収支差額をいう。) 三 第31条の規定により当該会計年度において取り崩した基本金の額 |
学校法人会計基準 第22条(翌年度繰越収支差額の記載) 翌年度繰越収支差額は、当年度収支差額の次に、前条の規定による計算とともに、予算の額と対比して記載するものとする。 |
事業活動収支計算書は、最後に翌年度繰越収支差額を計算して完了となります。この翌年度繰越収支差額は、貸借対照表の純資産の部の金額と一致し、事業活動収支計算書と貸借対照表は有機的に結びつく諸表となります。このため、事業活動収支だけでなく、基本金の取り崩しについても計算に算入することになります。