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学校法人会計基準の位置づけ

学校法人会計基準の位置づけ

(2021年6月1日更新)

1.学校法人における決算規定は?

 学校法人は、一般的な企業と同様、決算書を作成しなければなりません。学校法人に決算書の作成を求めている根拠法規は「私立学校法」です。

 私立学校法第47条で以下のように規定されています。

 

私立学校法 第47条

 学校法人は、毎会計年度終了後二月以内に、文部科学省令で定めるところにより、財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書及び役員等名簿(理事、監事及び評議員の氏名及び住所を記載した名簿をいう。次項及び第三項において同じ。)を作成しなければならない。

2 学校法人は、前項の書類、第三十七条第三項第四号の監査報告書及び役員に対する報酬等の支給の基準(以下「財産目録等」という。)を、作成の日から五年間、各事務所に備えて置き、請求があつた場合(都道府県知事が所轄庁である学校法人の財産目録等(役員等名簿を除く。)にあつては、当該学校法人の設置する私立学校に在学する者その他の利害関係人から請求があつた場合に限る。)には、正当な理由がある場合を除いて、これを閲覧に供しなければならない。

 

 この規定によれば、学校法人は毎会計年度終了後2か月以内に財産目録、貸借対照表、収支計算書及び事業報告書を作成し(私立学校法第47条第1項)、監査役の監査報告書と合わせて各事務所に備え置き、在学者その他の利害関係人の請求に応じて、正当な理由がある場合を除いて閲覧に供さなければなりません(私立学校法第47条第2項)。

 

 また、理事長は、毎会計年度終了後2か月以内に、決算及び事業の実績を評議員会に報告し、その意見を求めなければなりません(私立学校法第46条)。

 

 

 ほとんどの学校法人は国及び地方公共団体から助成の措置を受けているため、「私立学校振興助成法」も順守していますが、上記の私立学校法の規定だけではなく、「私立学校振興助成法」の規定においても決算書作成が求められています。

 

私立学校振興助成法 第14条

 第四条第一項又は第九条に規定する補助金の交付を受ける学校法人は、文部科学大臣の定める基準に従い、会計処理を行い、貸借対照表、収支計算書その他の財務計算に関する書類を作成しなければならない。

2 前項に規定する学校法人は、同項の書類のほか、収支予算書を所轄庁に届け出なければならない。

3 前項の場合においては、第一項の書類については、所轄庁の指定する事項に関する公認会計士又は監査法人の監査報告書を添付しなければならない。ただし、補助金の額が寡少であつて、所轄庁の許可を受けたときは、この限りでない。

 

●会計基準に関する法律

 

 次に、決算書を作成するための会計処理基準ですが、私立学校振興助成法第14条第1項では、補助金を受ける学校法人は、「文部科学大臣の定める基準」に従って会計処理を行うものとされています。また私立学校法においても、私立学校法施行規則で、「一般に公正妥当と認められる学校法人会計の基準」に従うものと規定されています。

 

私立学校法施行規則 第4条の4

 法第四十七条第一項(法第六十四条第五項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する書類(事業報告書にあつては、財務の状況に関する部分に限る。)の作成は、一般に公正妥当と認められる学校法人会計の基準その他の学校法人会計の慣行に従つて行わなければならない。

 

 ここでいう「文部科学大臣の定める基準」及び「一般に公正妥当と認められる学校法人会計の基準」として「学校法人会計基準」が誕生し、私立学校法と私立学校振興助成法の双方の規定を満たす決算書の作成基準として整備・運用されています。

2.学校法人会計基準の位置づけ

 学校法人会計基準第1条にも規定されているとおり、私立学校振興助成法第14条第1項に規定する学校法人は、学校法人会計基準に従って、会計処理を行い、計算書類を作成しなければなりません。

 

学校法人会計基準 第1条(学校法人会計の基準)

 私立学校振興助成法(昭和五十年法律第六十一号。以下「法」という。)第十四条第一項に規定する学校法人(法附則第二条第一項に規定する学校法人以外の私立の学校の設置者にあつては、同条第三項の規定による特別の会計の経理をするものに限るものとし、以下第六章を除き「学校法人」という。)は、この省令で定めるところに従い、会計処理を行い、財務計算に関する書類(以下「計算書類」という。)を作成しなければならない。

2 学校法人は、この省令に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる学校法人会計の原則に従い、会計処理を行ない、計算書類を作成しなければならない。

 

 私立学校振興助成法は、国および地方公共団体が行う私立学校に対する補助を規定する法律です。助成金の公平分配の観点から、その金額の計算基礎となる決算書の作成基準が必要なため、学校法人会計基準が文部省令として規定しています。

 

 このように、学校法人会計基準は、私立学校振興助成法による助成金の公平分配を実現することをベースに規定されています。このため、営利活動を行って株主に利益を分配する一般企業が行う会計処理や作成する決算書とは大きく異なり、特異な基準となっています。

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